ワシントンでは中国の核野望に対する不安が高まっている。国防総省によると、北京は10年後の1000年代までに核弾頭数を500発から2倍に増やす予定で、米国政府高官はこれを「前例のない」「驚くべき」展開だと公に呼んでいる。中国は核実験施設を大幅に拡張し、北部に3カ所の新しいミサイル基地の建設を続けている。同基地には最近、300基を超える大陸間弾道ミサイルサイロが建設された。小規模な核保有国から飛躍的に大きな核保有国への中国の変貌は歴史的な転換であり、核時代を通じて世界の核兵器をめぐる微妙な二国間バランスをひっくり返すものだ。ロシアと米国の核兵器の増強、削減、封じ込めは、この時代を特徴づけてきた。両国間の不安定な平和の維持は、開かれたコミュニケーションチャネル、核規範に関する合意、外交にかかっていた。 2月、中国は核外交という珍しい提案として、米国と他の核保有国に対し、すべての国が核兵器を決して先制使用しないことを誓約する条約の交渉を公然と呼びかけた。「この政策は非常に安定しており、一貫性があり、予測可能である」と中国外務省軍備管理局長の孫暁波氏は2月26日、ジュネーブで述べた。「それ自体が、国際的な軍縮プロセスへの重要な貢献である」。この招待は驚きだった。北京は長い間、この問題で他の核保有国に対する道徳的優位性を主張してきたが(核兵器保有国の中で先制不使用を宣言しているのは中国とインドだけである)、このように公然と協議の可能性を開くことは、中国が何年も行っていないことだ。ホワイトハウスは、中国の最近の提案は、自国の積極的な増強を含む核ポートフォリオについて外交的に関与することへの中国の幅広い不本意から注意をそらすものだと考えている。バイデン政権は、不安定な3か国の軍備競争を引き起こすことなく、中国とロシアの両方を抑止する方法を模索している。バイデン氏の国家安全保障担当大統領補佐官ジェイク・サリバン氏は昨年夏、両国に対し、前提条件なしで核軍備管理協議を行うよう公式に要請した。ロシアは申し出を即座に拒否したが、中国は予備協議に同意した。11月のその後の会合で、米国は、両軍が弾道ミサイルの発射実験を行う際に相互に通知する合意など、核リスクを管理する可能性のある措置を提案した。